「山中さん最近どんなの読みました？」
俺は、最近５度目に読んだカラマーゾフ兄弟の話しをした。

ドストエフスキーには、全てがあるような気がしていた。

今野さんは、感動気味にすごいですねーと言った。

俺は、恥ずかしくなって言い返した。

「だって最初読んだ時には、さっぱり分からなかったし今でも分からないんだけど、ハマりますよ。
５度読んでやっと少し分かるって、馬鹿ですよ。」

今野さん微笑みながらうなずいていた。
今野さんの微笑みにはいくつものパターンがあり豊かだった。

鏡ごしに、今野さんの色んな表情を見てるとドキドキは激しくなった。

表情が豊かで、いつも笑っている。

「山中さん、やっぱり携帯小説も書いたらどうですか。

意外といい作家さんも居ますよ。」

俺は、うなずいた。