それはフルートの音色よりも甲高く、トランペットの音よりも鋭く、俺の中心を貫いた。

この前までの、いやさっきまでの俺なら間違いなく逆上したことだろう。


お前なんかに俺の苦しみがわかるものか。

普通科は引っ込んでろ。

そう言っていたに違いない。


だけどその言葉はどうやったって、俺が反論するには及ばなかった。

俺が一番与えられるべき言葉を、こいつは投げかけてくれた。

正しく言えば投げつけたと言う方が正しいぐらい乱暴な扱い方だったけれど。


つまらない演奏だと、初めて会った日に罵倒され。

本気で弾くこともできないのかと見下され。

先生には自分で考えろと言われても、俺には理解できなかった。


周りの流れを見ろ。
自分とは違う人たちを見ろ。



――自分を変えろ。

そう言われていたのかと、やっと納得できる。