リピート機能によって何度も繰り返される、「マゼッパ」の演奏。

聴いているうちにどこが終わりでどこが始まりなのか、実はこれらすべてが繋がってひとつの曲なんじゃないか。

そんなことを考えてしまう。


こうやって憧れのピアニストの演奏を聴きながら、自分がするべき選択も彼に委ねてしまう自分はすごくみっともなくて、情けない。


コンポに向かって必死で自分に、バスキーに問いかけてみたけれど、そのどちらからも答えが帰って来ることはなかった。


やまびこのようにうっとうしいほど余韻を残して響くのは、自分への罵倒。


――お前、かっこ悪いな。


誰かが耳元でそうささやくから、何も見たくなくて目を閉じた。