そいつらが言っていた“そーゆー系の人”というのが俺の思い描くものと同じものなのかはわからない。
だけど言ってやりたかった。
奏よりもお前らの方がずっと、“そーゆー系の人”には近いのだと。
「言い返さなかったのか」
彼女だって悔しかっただろうに、悲しかっただろうに。
黙ってなんて、いられなかっただろうに。
「言えないよ。だってリーチがそういう風に言われたのは、アタシのせいなのに」
「違う！」
突然声を張り上げたことに驚いて奏の体がのけ反る。
だって、だってこんなの、黙ってられるか。
息を荒げる俺に、奏がどこかバカにするような笑みを送る。
俺には彼女が、そうやって俺を必死で遠ざけようとしているように見えた。
「…リーチって、すごいモテるんだよ」
脈絡の無い話題転換に眉をしかめて首を傾ける。
彼女の言いたいことが今一つ見えてこない。
