家を出たものの、どこに行くか何も計画を立てていないから途方に暮れるしかなかった。

あれだけ怒鳴っておいてすぐに帰るというのも決まりが悪い。


「コンビニでも、行くか…」

近くにあるコンビニだと見つかってしまうかもしれないから、足を伸ばして少し遠くのコンビニへ行くことにした。


時間が経てばこの気持ちは薄れて消えていくのかもしれない。

けれどたった1年ではその傷を癒すには短すぎた。



コンビニに足を踏み入れた瞬間、俺は目を見張る。

雑誌コーナーで立ち読みをしていたのはこんな時でもフルメイクを決めた彼女。


「…っ」

大丈夫、向こうは俺に気付いていない。

そう思って彼女がいる棚から一番離れた棚に移動しようとした刹那、彼女の目が俺を捕らえた。