白く柔らかくなびくロングスカートに、クリーム色のサマーニット。

とても女の子らしい、奏とは正反対の雰囲気をまとった彼女は、俺たちの幼なじみだった。


若菜と俺は同い年で、どういうわけか中学2年の時までずっと同じクラスだった。

クラス替えのたび、若菜は俺の隣でまた同じクラスだと微笑んでいた。


ずっと側にいたし、周囲で俺たちのことを冷やかすような噂もたくさん流れていた。

若菜は押しに弱い人だったし、このまま流れで付き合うものなんだろうと思っていた。

だけどそれまで俺は、若菜のことを何も知らなかったと思い知る。


学校の帰りによく我が家に遊びに来ては浅葱と3人で遊んで、笑い合って帰って。

その意味を俺は、何も理解していなかった。


「私、浅葱が好きなの」

そう言われた時の俺の気持ちなど誰が知るだろうか。

自意識で塗り固めた心をバキバキに崩され、その後に残ったのは。


本当に若菜のことが好きだったんだという、遅すぎる本音。