気付いた瞬間には、私も体中が冷え切る。きっと鏡を見たら真っ青な顔だろう。

あのギフトリスはオスだったんだ。メスなんかじゃなくて。

牙が小さすぎて分からなかったけれど、

このイーシャの姿とレイの様子を見たらもうそれは確実だ。



ギフトリス。その最大の特徴は……。



オスは鋭い大きな牙を持ち、噛まれれば毒にやられる。

メスは鋭い小さな牙を持つけど、噛まれても無害。



私もレイも、あのギフトリスは牙の大きさからメスだって思っていたんだ。

噛まれたけれど、噛んだのがメスだったのが不幸中の幸いだった、なんて。

私達はのんきな事を思ったのだろう。バカみたいだ。