ピアニストと野獣

「な、何がスゴいの…?」


陸は私の両手を握り、ブンブン振り回している。


「俺ら似てないとか言われたことねぇもん!」


言われたことない?


私は思わず眉間にシワを寄せた。


「何眉間にシワ寄せてんだよ~!」


陸は私の眉間を指でグリグリ擦った。


「――だって、それは多分口にしないだけだよ。
両親は気づいているはず…。」


「母さんも父さんも気付かないよ…。」


陸は笑顔だったが、目の奥は寂しさが写っていた。