暗がりの夜だから



「……リリ…?」

透き通った甘い声が、私の名を呼ぶ。

――…誰…なの…?


高鳴る、心臓―…。

瞳からは、涙がぽろりとこぼれ落ちる。


――…知ってる。

私のカラダが、この人を覚えてる。