暗がりの夜だから



近くに感じた存在に肩を強張らせていると、鼻腔をくすぐるあの…―バニラの香り。

「……えっ?」

驚きを隠せず、近寄ってきた存在に目を向ける。


きれいな、男の人が―…ひとり。