「やめてよっ!…」 私は捕まれそうになった腕を寸前で引っ込め、おじさんに背を向け走り出した。 無我夢中で、全速力で。 後ろでおじさんの叫び声がする。 私を呼び止めてる…? 「っ…怖い怖い怖い…」 頬に伝わる涙の雫が、風に飛ばされ散ってゆく。