暗がりの夜だから



―…ガッ

「…っ!」

ついぼーっと突っ立ってしまっていたら、人とぶつかってしまった。

「…!いってえな!このガキがっ!」

「……す、すみませっ…」

怒鳴られ、私には恐怖が雷のように貫通した。

私を怒鳴ったおじさんは、私の顔を見た瞬間表情を変える。

「…おっと。お嬢ちゃん、でかい声出してごめんな。」

そのいやらしく嘘臭い笑顔に虫酸が走る。