暗がりの夜だから



パヒューム…―香水。

ライトがそっと小瓶のコルクを開ける。

すると、ふわっと広がるあの…バニラの甘い香り。


「…どうしようもなくて、やるせない気持ちになったときにつけるんだ。」

月明かりに、ライトの顔が艶やかに照らされる。

「どんなに泣いても、また涙があふれそうになったとき…このパヒュームの力を借りるんだ。」