早くあったかい所に行こう――そう思った、その時。
「あっ、エリカちゃーん!」
背後から、女の子の可愛い声がした。
振り返ると、大部屋好きの女の子が手を振ってこっちに小走りでやってくる。
手には店の鞄。エルメス風のそれは、明らかに風俗嬢であることを表している。
「上がり?お疲れ様!」
「ありがと。アイラちゃんは?」
「私は23時まで」
「…今からホテル?」
「ううん、終わったとこ」
一仕事終えましたというような、清々しい顔。
傷みのない艶やかな栗色の巻き髪はお嬢様みたいで、顔立ちだってぱっちりおめめの清楚系。
店で公表しているのは18歳。
実年齢も多分、19歳の私と変わらない気がする。
本当に、彼女はどうしてこんなところでこんな仕事をしてるんだろう。
…私だって、人のこと言えないか。
とびきり美人じゃないけど、高校時代は結構モテた方。
今でもナンパは少なくない。
そんな私が、こんなところで自分に値段をつけて売っている。
それを安売りだとは考えたくない。
「あっ、エリカちゃーん!」
背後から、女の子の可愛い声がした。
振り返ると、大部屋好きの女の子が手を振ってこっちに小走りでやってくる。
手には店の鞄。エルメス風のそれは、明らかに風俗嬢であることを表している。
「上がり?お疲れ様!」
「ありがと。アイラちゃんは?」
「私は23時まで」
「…今からホテル?」
「ううん、終わったとこ」
一仕事終えましたというような、清々しい顔。
傷みのない艶やかな栗色の巻き髪はお嬢様みたいで、顔立ちだってぱっちりおめめの清楚系。
店で公表しているのは18歳。
実年齢も多分、19歳の私と変わらない気がする。
本当に、彼女はどうしてこんなところでこんな仕事をしてるんだろう。
…私だって、人のこと言えないか。
とびきり美人じゃないけど、高校時代は結構モテた方。
今でもナンパは少なくない。
そんな私が、こんなところで自分に値段をつけて売っている。
それを安売りだとは考えたくない。


