鬼の国では、毎日がお祭りのように栄えていた。


お店が並ぶ大通りの先には、鬼の国のお城があり、お城に行くまでも色々なお店が賑わっている。

一番人気は、角(つの)の店。生まれながら角があるわけではなく、鬼達は、生まれてくる我が子に角を贈ったり、大人になってもファッションで角を取り替えたりもする。デザインも様々だが鬼達の魔法の力もこの角から来ている。


毎日がお祭り騒ぎの鬼の国だか、2月3日は特別に大騒ぎになっていた。大通りには、鮮やかに虹色の花びらが舞い、美しい踊り子たちが踊り、パレードが行われていた。


2月3日、鬼のお城では姫が誕生した。
鬼の国では、姫の誕生にみんなが幸せに満ちていた。


お城の中では、姫のあまりの美しさに家来だけでなく、王も王妃も見とれた。
艶やかな黒髪、そよ風が通り抜けそうな透き通った白肌に黒く長いまつ毛にエメラルドグリーンの瞳、いつまでも潤い続けるピンク真珠のような唇。

姫の美しさは、瞬く間に国中に広まった。