「興寺さん、今日はありがとうございました」 「いぇ、それでは」 軽く会釈をして彼を見送り、 布団に寝転び 痛む体に鞭をうちながら 向きを変える 無機質なこの空間を眺めながら 今日の出来事を思い出し 溜め息が漏れた 全て憶測でしかないが 事件に巻き込まれた 能力者で暴れた 両親に捨てられた どれが正しいかは分からないが 明日、“発見者”に会えば何か手がかりが掴めるかもしれない なんて事を考えていたら、瞼が落ちてきた。 思っていたより疲れてしまったからなのか、僕は眠りについた