その後紀さん達は
“まだやることがあるから”
と言って部屋を出て行った




1人残された部屋で
自分の事を考える


何も分からないけれど
それでも考えずにはいられない



どうして道端に倒れていたのか


僕を見つけてくれた人は何故此処に運んだのか


左手の傷は何なのか



もちろん答えなんて出ることはなく疑問しか浮かんでこない




「何も、分からない」


虚しく響く自分の声に悲しくなる


大きくため息を吐いて
布団の中で丸くなり
意識を手放した