見下された気がした。
否定された気がした。
情けをかけられた気がした。
生きる価値なんてない。
お前はクズだ。
死んでしまえ。



生まれてこなければよかった……
生まれてこなければよかった……
生まれてこなければよかった……



『アキ…?勘違いするな。』



全身の火照りと動悸で
郷田の声もすり抜けていく。
キッチンへ足を運び、
包丁に手を伸ばした瞬間
大きな手に止められる。



包丁を掴んだあたしの手首を
掴む郷田。
二人して睨み合う。



『それで何するんだ?』



『離せよ。不幸な人間は死ぬまで
 不幸なんだよ。だったらこの手
 で消してやる。』



『また自殺未遂か?』



『未遂じゃねーよ。』



思いっきり手を振り解いて
郷田に刃先を向けた。



『てめぇ嘘だと思ってんだろ?』



『……………。』