灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~




郷田の高い鼻があたしの鼻に
触れる。



『ほら。今、俺を意識してるだろう?』



やめて……
言葉で挑発しながら
優しい瞳で見ないでよ。
動けないから。



この至近距離で
あたしに何が出来るというの?



『からかわないで。』



『アキから誘ってきたんだぜ?
 そんな顔したら、ほっとけなくなる。』



『お願いだからほっといてよ。』 



郷田の親指があたしの唇をなぞる。
視線が唇に落ちて……



『あたし、金くれるヤツにしか
 サービスしないから。』



『…ふーん。俺もカモのうちの一人
 なわけね。』



『そういうこと。わかったらとっとと 
 離れてよ。』