あたしをイスに座らせ、
鼻歌を歌いながらキッチンへと
消える。
ものの数分で目の前に出された
スープはのど通りもよく、
精神を落ち着かせてくれた。
あの部屋からはまだあの唄が
流れてる。
前に座った郷田はこっちを
見ながらコーヒーカップに
口をつけた。
『…なに?』
黙って見られるのは好きじゃない。
『いや、お口に合ったみたいだな。』
優しい味が躰を芯まで
温めてくれて
いつの間にかキレイに
平らげていた。
『…ごちそうさま。』
そそくさと席を立ち
お皿を下げる。
『アキ。』
郷田がそう呼ぶたびに
心臓の奥が痛む。
針で突っつかれた感じ。

