あの瞳に捕まったら
その瞬間、躰が動けなくなって
息を呑む。
何も出来なくなってる。



俺を見ろ。
そう言われているようで
あたしの視線も心も
奪ってく。



あたしはあんたの所有物じゃない。
ましてや性欲処理なんて
もってのほかだ。



部屋に戻り、鏡に映る自分を見た。
呼吸音よりも、
今は心音の方が鼓膜を刺激してる。



一瞬でも外せなかった瞳の中で、
得体の知れない感情が渦巻いてく。



あたしはまた、
何も気付かないまま
深い闇に呑まれて
気怠い朝を迎えるのであった───。