このままネカフェにでも行こうかと
考えていたら桟橋が目に入った。
自然と足は向く。
繁華街から少し離れた場所にあるため
近づくにつれ人通りも少なくなっていく。
手すりから下を覗いた。
そんなに高くはないと思う。
夜空を見上げた。
憎き三日月があたしを見下ろしている。
まるで、手が届きそうなほど。
ひょいと手すりの上に乗っかって
三日月に手を伸ばす。
届くはずないよな…。
バカみたい。
そのまま手すりの上を歩いてみた。
時にバランスを崩してふらつきながら
生ぬるい風にスリルを求めて。
下に目をやると、
穏やかに川が流れている。
こんな光景も久しぶりだ。

