……アキ…………アキ…
『アキ…?着いたぞ。』
肩を叩かれ、飛び起きた。
いつの間にか助手席で眠りに
落ちてたみたいだ。
ボーッと目の前の郷田を
見つめて動きは止まる。
『嫌な夢でも見たか?
眉間にシワいってたぞ。』
昼間なのに周りが薄暗いのは
地下の車庫に入ったからだと
徐々に頭が働き出した。
『別に。』
車から降りる。
『待って…!』
慌てて荷物を下ろしてあたしの
元へ駆け寄る。
『え…?何?』
イライラしながら言うと
眉毛をハの字にして
『何って、独りにしないって約束
したじゃん』とかほざいてるし。
『は…!?バカじゃん!?』
ぷいと行ってしまうあたしは
感情の表現方法がわからないから。
素っ気ないのは昔からだけど
いちいち説明するのも面倒くさい。

