監視員の隙を狙って、
あたしたち2人は
高い塀を乗り越え脱走した。



全速力で夜道を駆け抜け
息が切れても
無我夢中で走り続けた。



自由になれた瞬間、
ケラケラとしばらく
2人で笑い合ったね。
その後に、かねてから
交わしていた約束を
あたしたちは実行に移した。



それは、



互いに別々の行動をとること。



万が一どちらかが見つかっても、
絶対に秘密はバラさないこと。



『健闘を祈る。』



そう言って抱きしめ合ったの。
互いが互いの幸せを祈り
この場所からスタートしよう
って誓ったんだ。



だから本当に、
その後のミホは知らない。



彼女なりの生き方を
見つけているだろうか。



あの夜から、
どれほど時間が経ったのか
正直把握出来ていない。
随分経ったのか、
それともさほど経っていないのか。