そろそろかな。



唇が離れ、首筋に舌を這わせた後。
ズルズルと崩れ落ちていき、
地面に膝が付いてロン毛はその場に
なだれ込んだ。



『…ハイ、ゲームオーバー。』



もたれかかる躰を離し、座り込ませる。
寝息をたててる間に、
ズボンの後ろポケットに手を伸ばす。



お札だけを抜き取って財布を戻した。



『毎度あり~。』



2分もかからなかったな。



何食わぬ顔で部屋に戻ると、カイは
煙草をふかしていた。



隣に座ると、
『あれ?タカシは?』って。



テーブルの上にあったジントニックを
一口喉に滑らせる。



『外で電話してる。』



『ふうん。』



お酒を手に取った瞬間、あたしは
その手を止めた。