灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~




ただ頭に浮かんでいたのは、
あたしの心を完全に支配していた
ミホのこと。



ミホ……
今、何してる……?
どんな景色を見てますか?





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鉄格子に囲まれた古き建物。
24時間体制での完全監視。
与えられた部屋には
ベットと机しかなく、外からも
中が覗けるようにドアに
窓が備え付けてある。



いつからかなんて
思い出したくもない。
でも随分と前から
あたしはその場所に居た。
つい最近まで。



ミホも同じだった。



同い年で気の強い、
キレると手のつけようがない、
監視員を次々と交代させるような
館内では一番
手のかかるクランケだった。



そう、あたしたちは
見た目普通な何処にでも
居るような人間だけど、
それぞれに闇を持った
異常者。