一緒になだれ込むようにしゃがんだ
あたしは、すぐに現状を把握出来な
かった。



『郷田………?』



ぐったりともたれかかる躰。
起こそうと背中に触れた瞬間、
ドロッと生温かい液体が手に
付着する。



いつの日か鼻について離れなかった
血の生臭さが蘇る。



自分の手のひらを見て、ようやく
郷田が息をしていないことに気が
付いた。



『郷田…!?ねぇ……郷田……!!』



地面に流れていく血液。
さっきの銃声は撃たれた音だったの?
あたしを庇って……?



『ヤダよ郷田……!待って……ヤダ……
 お願い逝かないで……!』



反応のない躰。
眠るように瞳を閉じている郷田。





『いやぁ─────────!!』