頭の中でハエが鳴く。



躰中にハエが集る。





───ヤレ───



何処からかそんな声がした。



バン……!と躰に振動がはしる。



どうやらあたしは引き金を引いたらしい。



どんなに醜い心でも
どんなに汚れた躰でも
誰かに認めてほしかった。



アタシハココニイル…………



放った弾は流れて右肩をかすり、
刑事は尻餅をつく。



その瞬間─────



黒い影に包まれ数回に渡る銃声と
鈍く伝わる振動。



刻一刻と迫る闇の世界には何ひとつ
リアルはない。