どこかの刑事ドラマで見たような光景
でも、震えは止まらない。
遠目に見える特殊部隊たち。
下手な行動はとれない。
完全に囲まれていることは確かだ。
『もう一度言う。銃をこちらに渡しな
さい。君の犯した罪は犯罪だ。でも
必ずやり直せる。私たちが約束する。
君はやり直せるんだ。』
そんな言葉に、何度騙されただろう。
もう聞き飽きたよ。
あたしは誰も信じない。
汚れたこの手は決して拭えないし、
やり直すことなんか出来ないって
わかってる。
この先待っているのは地獄の歳月。
このまま独りでいくつもりだった。
郷田を巻き込みたくなかったのに……。
あたしは最後の最後まで
何も守り抜けない人生なの……?
生まれてきた理由、教えてよ……
なんで……あたしなの……?
やり直せるのならやり直したい。
郷田と共に笑いたいよ。
でももう自分の手で闇に葬った。

