銃口は自らの手で心臓に当てられた。
あたしの手は震えている。
『郷田……何言って……』
出来るわけがないよ。
どうしてそんなことを言うの?
郷田までおかしくならないでよ。
鳴きながら『殺してくれ』と懇願する
郷田。
『い……いやぁ……!!』
銃を投げ捨ててその場に崩れた。
肩を持つ表情は影と重なり
よく見えない。
『ユラ…俺を殺せないのなら……
このまま一緒に逃げてくれ。』
この時与えられた選択肢を選べる
はずがなかった。
あたしだって離れたくない。
いっそこのままずっと一緒に
居れたら……。
『もう時間がない。どうする?』
このまま自首するか……
それとも…………

