薄れていく意識の中、
運転するカイの後ろ姿を見て
本気でレイプされんだと悟った。
数々の手が躰に触れてくる
感触を覚えるが、
抵抗するにも力が入らない。
下着姿をさらされ
『いい躰してんじゃん』と言う声が
聞こえて、誰かが上に
覆い被さったところで徐々に
意識が遠のいていく。
狭い車内で胸や下半身を触られる。
力なく抵抗しても男相手に
かなうはずがない。
『俺、超久しぶりなんですけど~!』
とヘラヘラ笑いながら
ベルトを外しズボンをずらす。
カシャカシャと誰かが
デジカメで写真を撮っている。
躰が、動かない。
気を失う寸前で、車は
急ブレーキがかかり
男たちは前のめりに倒れ込む。
ロン毛の声で
『カイ!何やってんだよ!』と
聞こえたかと思えば
勢いよくサイドドアが開いた。
『おい!その女から離れろ!』
暗い車内に明かりが煌々と差し込み、
ゆっくりと顔を向けると
そこに立っていたのはカイでは
なかった。
“助かるかも…”と思った瞬間に
スーッと意識を手放した。
フワフワと何かに包まれたあたしは
優しい匂いを覚えて……。

