魂の叫びが鼓膜を刺激する。



スタスタと小学校くらいの女の子が
部屋から出てきて
『ハイ』と透明のビニール袋を
俺に手渡してきた。



中身は血の混ざった嘔吐。



ヘラヘラと笑いながら渡してきたから
仕方なく受け取った。
ゴミ箱へと捨てようとすると、
背後で『おぇ…!』と声がする。



振り返ると、また新たに
女の子は口に手を突っ込んで
嘔吐していた。



よく見ると躰は痩せこけていて
骨に皮が付いているだけのように
見えた。



拒食症か……?
血の気が引いて白目のまま
倒れた女の子。
即座に看護師が駆けつけ
部屋に運ばれる。



『急ぎましょう』



耳元で探偵はそう言った。



こんなことで戸惑っている場合じゃ
ない。