灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~




数日後。



茶色い封筒を手渡された。



『彼女の情報ですよ。』



生唾を飲む音がリアルに聞こえる。



一枚の紙に記された記録。



【クランケNo.6011005 安西 ゆら】



喉から手が伸びるほど手に入れた
かったカルテ。



『幸い、触法精神病患者ではないようで
 すが監視は免れないみたいですね。』



PTSD(外傷後ストレス障害)……?



俺が施設を出た直後に此処に来たと
いうわけか。
なら、つじつまが合う。



走り書きされた文字は
処方されている薬名だった。



『どうやってコレを……?』



高潮のあまり、
カルテを持つ手が震える。