『私も人間です。法に触れないギリ
ギリの線で商売をしています。そ
こは充分に理解して頂きたいので
す。』
『あぁ、わかってる。』
『出来るかどうかは保証出来ません。
ここからは上乗せになりますが?』
『構わない。』
『かしこまりました。やれるだけ
やってみます。』
『出来るだけ情報が欲しい。』
おそらく今見ている景色は
灰色の世界だろう。
心なんて、とっくに凍てついて
存在しないのかもしれない。
もし逢えたとしても
何て声をかければいいんだ……
俺は本当に、
君を救えるのだろうか……
居場所はわかった。
建物の外観を見ても
空気は冷たく、窓には全て
鉄格子がかけられていた。

