一本の電話が鳴り、俺は車を
走らせている。
ようやく居場所を突き止めたとの
知らせが入った。
待ち合わせの喫茶店に入り、
資料に目を通している探偵の前に座る。
『まず、落ち着いて聞いてください
ね?』
念を押しながらもったいぶる探偵の
次の言葉を急かした。
『では、手に入った情報を全て
お話し致します。』
もう何を聞いても驚かない。
そう強く思っていた。
『彼女は今、○○救護施設に隔離
されています。』
精神病患者であること。
隔離されている状況などが話された。
『当時の記事には、彼女が精神異常者
になってしまった理由は両親の死だ
と書かれていましたよね?』
銀縁メガネの縁がキラリと光る。

