不思議な夢を見るようになった。
あの日のゆらが現れては目の前で
何度も消える。
手を伸ばしても、名前を呼んでも、
ゆらには届かない。



目が覚めるといつも俺は泣いていて。
実存的空虚感が全身を襲う。
ただ、それの繰り返し。



涙を拭いて、
また今日も君を探し続ける。



少しずつでも情報を掴み、
生存率が上がるたびに胸を撫で下ろす。
頼む……生きていてくれ。



伝えたいことがたくさんあるんだ……。



桜はまた散った。
君と出逢った季節はまた、
無言のまま過ぎ去っていく。



脳裏に残された記憶の欠片を
拾い集めて繋ぎ合わせ
わずかな期待に想いを馳せて
君に焦がれる。



再びあの瞳に映る日は
来るのだろうか……。