本来ならこの手で居場所を
突き止めたかったけど、
どうやら自分の手には負えないほど
君は遠くに居るみたいだ。



情報量が少ないために
時間がかかってしまうのは
仕方がない。
それなりの覚悟は出来てる。
ゆっくりになるけど、
待っていてくれるか……?



探偵ですら四苦八苦してるんだ。



自分なりに情報収集に努めたけど、
些細な情報すらひとつも掴めない。
生年月日も、学歴さえもわからない。



探偵からの途中報告として、
通っていた学校、その時の友人を
割り出したものの
誰一人、ゆらの行方を知る者は
居なかった。



当時の新聞記事や週刊誌に目を
通しても各種違った内容が書かれて
いて、どれも真実味がない。
旧友たちも真相を知らないみたいだ。



隠された真相は
ゆらの胸の内にしかない。



どんな孤独な夜を過ごしたんだ……?
そう思うだけで
張り裂けそうなほど胸が痛んだ。



逢いたい……



逢って拭ってやらなければならない。
早くこの手が君に辿り着けるようにと
願う。