予想していなかった事態に
正直面食らう。
親戚たちも頷き聞いている。
どう答えていいのかわからないまま、
叔父さんの言葉は続く。
『秋人くんは言ったね。僕には返し
きれない恩がある、義理と人情は
わきまえているつもりだと。』
『はい。』
『もう充分返してもらったよ。
これからは自由に生きるといい。
でも、君は郷田一族なんだ。
離縁するつもりはない。』
『どういう意味ですか…?約束と違い
ますよね?』
すると、親戚たちが駆け寄り俺に頭を
下げた。
『頼む…!これからも郷田グループの
一員で居てくれ…!』
お前等が一番この俺に嫌みをぶつけて
きたんじゃないのか?
よくそんなことが言えるな。
どいつもこいつも…。
再び叔父さんと目が合う。

