結果はちゃんとついてきた。
年商一億円アップどころか
二億、三億と驚異的な数値を
叩き出した。



もう誰も俺に逆らう奴なんか居ない。
そして、全ての呪縛から解き放たれた
瞬間。



祝賀記念パーティーにて。



従業員の前で、俺は自ら発表した。



自分の生い立ち、
前社長との出逢い、
変わらない企業理念、
自分に託された使命、
会社の命。



『僕一人の力ではありません。理解して
 力を貸してくださった皆様で出せた結
 果です。これからも自信を持って邁進
 してください。』



涙ぐみながらマイクを通じてそう言うと
会場全体がざわつき始める。
幹部たちも顔を見合わせながら
困惑している。



ここで発表することは
叔父さんにしか伝えていない。
叔父さんもまた、その想いを組んで
くれていた。



『本日付けで僕は離職させていただき
 ます。また、次期代表取締役には
 郷田輝彦氏に決定致しました。』