言い切ったからには先頭きって
見本を見せなければならない。
寝る間も惜しんで自ら試練を与えた。



莫大な量の書類に目を通し、
実務、事務、指導を毎日こなしていく。
一流ならではのマナーを次々に生み出し
マニュアル化する。



デキると判断した者は若かろうが
関係なく責任を持たせる。
とにかくスピードアップして人材を
確保する必要性と、
中身のあるカリキュラムでなければ
意味がないと訴え続けた。



始めは鼻で笑っていた連中も
一年も経てば立場を理解し
焦りが見えてくる。



人間なんてそんなものさ。
日本人なら特にね。
周りに左右されやすい。
そこを有効活用するほかない。



腐った連中も扱い方によれば
こちらに尾を向けることはない。



俺は自我を捨てた。
全ては目標に達するために
どんなことでもやってのけた。
そこに、正義もクソもあるもんか。



がむしゃらに走り続けてきた自分を
客観的に見て嘲笑うようになった。
その頃すでに三年という月日が流れて
いたんだ。