誰もがそう望んでいることは
百も承知なんだよ。
恩をきっちり返してから
俺の本当の人生が始まるんだ。



何年かかるかはまだわからない。
でも、必ず実現してみせる。



元々取り壊す予定だった別荘は
譲り受けることになった。
その後のことは全て、
この俺にかかっている。



親戚一同集めての話し合いと
従業員には書面で
今後の企業理念を説明した。



「協力してください。
 力を貸してください。
 必ずいい会社にしてみせます。
 信じてもらえるならついてきて
 ください。」



それがいつも言う俺の台詞だった。
裏を返せば、従業員を試して
ふるいにかけているようなモノ
だけどね。