一口、二口食べて
少しずつ血色が戻ってきた気がした。



『こんな美味いお粥初めてだよ。
 ありがとう。』



そう言ってペロリと平らげる。



何もかも大袈裟なんだよ、郷田は。
調子狂うけど
どこかくすぐったくて、温かい。



『シャツ脱ぎなよ。』



『エッチ。』



『バカ。着替えないと風邪ひくっつー
 の。汗かいたんだから。』



キョロキョロ見渡して、
クローゼットに手をかけた途端。



『待って…!アキ!』



郷田の声と開ける手が同時で、
顔だけ振り向いた。



『え?ここに服かけてんでしょ?』



この時。
郷田の表情に違和感を感じていた。
まるで、世界の終わりみたいな
顔をして。
見られてはいけないモノが
あるわけ…?