お粥に気付き、
『アキが作ったの…？』と聞く。
恥ずかしさのあまり頷くだけで
精一杯なのに、優しく微笑まれたら
胸の奥がズキズキ痛む。
顔を歪ませながら上半身を起こし、
『食べる』と言った。
食べるって言ったって……
ジッと目が合うと
郷田は口を開けて『あーん』と
催促する。
『あたしが！？』
『他に誰が居るんだよ。ふぅふぅしてね。』
『……………。』
言われた通りに郷田の口に運ぶと、
しかめっ面で『しょっぱい～』と言う。
『え？ウソ！』
そんなに塩入れてないのに…。
自分も一口食べてみた。
『え？しょっぱくないじゃん。』
『ハハハ！ウッソー！』
一瞬呆気に取られたが、
白い歯を見せて無邪気に笑う郷田に
一番驚いた。
こんな顔して笑うんだな。
