その後気付けば施設に預けられて
いたし、精神科にも行った。
血の海を見ると、
嫌でもあの光景を思い出す。
もっと楽な死に方だって
あったのに…。
無理心中を図ったんでしょ?
なのになんであたしだけ
助かってんだよ…。
後でわかったことだけど、
あたしの手首の傷は
さほど深くはなかった。
手首を切ったってよっぽどのことが
ない限り死には至らない。
やるならちゃんとしてほしかったよ。
中途半端が一番辛い…。
あたしの左手手首には無数の
傷跡がある。
たかがこんな傷で死ねないのは
わかっていたから
自傷行為としてリストカットを
繰り返すようになった。
流れ落ちる血液を見ながら
両親に対する憎しみは徐々に
膨れ上がる。
そのたびに現実逃避して
あたしはあたしじゃなくなっていく。
みんな怖がって寄り付いて来ない。
それが逆に好都合なんだ。
もう何もかも諦めていたし、
人も殺りかねない精神状態だったから。
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