闇雲に走る遊歩道。



夜のネオン。静のない街。



音を掻き消して進む躰。



路地裏を駆け抜け、
人気のない住宅街を駆け抜け、
ひたすらに闇を求めた。



月明かりでさえ疎ましく思う。



身に付けていた黒のジャージ上下を
脱いでゴミ箱に投げ捨てた。



ピンクのTシャツにデニムのミニスカ、
黒のキャップ。



見上げた三日月。



反吐が出そうだ。



過去は切り捨てて、
あたしは今日でまた生まれ変わる。



鎖が外れた自由なこの身は、甘い蜜を
求めて歩き出す。
仮面をかぶったもう一人のあたし。