透明水彩


「うん!」


あたしの背を押し、下へと促す叔父さんに笑顔を向け、あたしは部屋を飛び出した。

時代を越えてもなお、あたしの傍に居てくれた大切な幼なじみ。

2人に未来での出来事はわからなくたって、ちゃんと、もう一度伝えたい。

“ありがとう”

そう、想いを込めて。


…――ねぇ、莱。
あたしちゃんと、笑ってるよ。
この時代で、生きていける。

たとえ傍に居なくたって、心はずっと傍に在る。
莱に恥じないように、あたしはこの時代で生きていくから。




出会えたことが必然ならば、
別れもまた、必然。

流した涙は、
未来に繋がる透明水彩――…





 ― Epilogue * END ―