透明水彩


だからもう、今度こそ本当に終わりにしよう。
…否、あたしが終わりにさせるんだ。

…――たとえ、命を懸けてでも。


「みな、……っ!」

「う゛あ゛ぁぁああっ!!」


理人の声と被るように響いたのは、あたし達のすぐ前にいた武装集団の1人。
言わずもがな、あたしとリングの力で足元から発火し、身体を包み込む。


「美凪やめろ!」

「お前が死ぬぞ!」


あたしは死んだって、別にいいんだよ。
けれどその代わり、あの男だけは絶対に許さない。


「っ、クソ…っ!対象を撃ち殺せぇーっ!!」


焦りを帯びた春水さんの命令が響き渡り、武装集団が四方八方から銃声を轟かせる。

だから灼熱の炎のシールドのようなものをあたし達の回りに張り巡らせ、弾を遮断した。

そしてあたしの気持ちと比例して大きくなっていく炎は、じわじわとあたしに近い武装集団から包み込んでいく。

不思議と今、人を傷つけることに恐さは感じない。
だってそれより、沸き上がる憎しみの方が大きかったから。