透明水彩


「反乱を起こすにしても、相手側には強力な兵器が存在する。手に入れることもできず、作ることもできない。だから反乱の意志を示すのに、まずは秋臣に死んでもらったよ。」

「そんな……、それだけの理由で?」

「他に、どんな理由があるというんだ。」


たったそれだけの、エゴの塊のような理由で、お父さんとお母さんは殺された。


「ゆる、せない……」

「っ! 美凪やめろ!」


あたしの気持ちを悟ったのであろう理人の制止の声も、今のあたしには届かない。

ただ、許せなくて。悔しくて。悲しくて。

ずっとずっと堪えて我慢してきたはずの思いが爆発するような、そんな気持ちになった。


「美凪落ち着いて。」

「ナギ!挑発に乗ってんじゃねーよ!」


しだいに赤く灯っていくリングの石。
それはまるで、今のあたしの思いを色に表したようだった。