透明水彩


「さぁ、藤倉君。娘に銃を突き付けるのはやめてもらおうか。
じゃなきゃ次は美凪ちゃん、頭が吹っ飛ぶよ。」

「く……っ、」


さっき理人が、芹奈さんに言った言葉をそのまま返すように、春水さんはそう言って笑った。

そんな春水さんを一瞥してから、理人はチラリとあたしを振り返る。
あたしの血に染まる肩に小さく舌打ちをして、理人は銃を向ける腕を下ろした。


「彼女が絡むと、やけに素直じゃないか。」

「……黙れ。」

「ハハッ。まぁいいさ。どうせ君とは、ここでお別れだ。」


ここで、お別れ……?

意味深な言葉を放つや否や、あたしに向いていた春水さんの銃口は理人へと向く。


「……それにしても、やっぱり君は馬鹿だ。美凪ちゃん同様、1人で乗り込んで来るなんて、自殺行為だよ。せめてもう2人いたら、こんなことにはならなかっただろうに。」


そして早口で言い捨てられた言葉に、理人は口角を上げた。