透明水彩


「藤倉君…っ、どうして……」

「どうして、じゃないだろ赤木。君は随分と、変わってしまったみたいだね。」


芹奈さんの、銃を握っていた右手から垂れる、血。
ぽたり、ぽたりと下に血だまりを作っていく感じが、あたしに雨を連想させた。

けれど思い切り頭を振り、そのイメージを追い出す。今はそんなこと、考えている暇なんて無い。

さっきの状況とは逆に、芹奈さんへと自身の銃を向ける理人。普段の表情とは打って変わって鋭い眼光を光らせる理人は、まるで別人のようにも見えた。


「美凪。」

「……え?な、に?」

「無事で、良かった。」


けれど一瞬、あたしの方に向けられた視線はいつものように穏やかで。

紡がれた言葉からは心底安心した雰囲気が感じられ、今、あたしがやろうとしていたことは本当に正しかったのかと、またわからなくなる。